大原女(おおはらめ)を知る

柴を頭に乗せ、京の町まで売りに出かけた「大原女」。
その独特の装束をまとった女性が練り歩く「大原女時代行列」は、大原の風物詩となっています。

京の都で柴を売り歩いた女性たち。

大原女(おおはらめ)は、頭に「柴(しば)」を乗せて、京の町へ行商に出かけた大原の働く女性のことです。大原女の服装は時代を遡ると、平安時代、寂光院に穏棲された建礼門院に仕えた阿波内侍(あわのないし)が山仕事をする際に着ていた衣装がその原型と言われています。

大原は平安時代の頃から「炭(すみ)」の産地として知られるようになり、初期の大原女は主に「炭」を扱っていたと言われます。当時は京の町まで道路が整備されていたわけではなく、厳しい環境下での行商だったことが想像できます。室町時代には「薪(まき)」も扱うようになり、京都三大祭りの「時代祭」においても室町時代の装束として登場します。

江戸時代にはさまざまな文献で馬を引きながら主に「柴(しば)」を売り歩いていた様子が確認できるようになります。大原女と言えば「柴売りの女性」と連想する人も多いでしょう。写真の大原女が頭に乗せている柴は衣装用のものですが、実際にはかなりの量を運んでいたようです。

こうした風習は、電気やガスが一般的となる大正時代まで続きました。昭和の時代になり大原が観光地として認知されるようになると、リヤカーを引きながら大原の名産品である「しば漬」も売り歩いたようです。現代では京都の働く女性の伝統衣装として認知されています。

大原女姿で里山を散策できる着付け体験も。

現在最も一般的となっている大原女装束(紺の綿着物に赤のたすきかけ)は比較的近代のものです。当然ながら時代ごとにデザインも変化しており、江戸時代の古装束や、時代祭に登場する大原女など、それぞれ趣が異なります。作業着として丈夫かつ動きやすい生地でできている点と、頭に手脱ぐいを垂らしている点が共通しています。

大原では、毎年4月下旬に「大原女時代行列」を開催しています。こちらでは時代ごとに異なる大原女装束を着た女性たちが寂光院〜三千院を練り歩きます。行列には一般の女性も参加が可能です。

大原観光保勝会では「大原女に変身体験」として大原女装束の貸出・着付けを行なっています。大原女の姿で里山を散策すればインスタ映えも間違いなし!さらに、お店やお寺で割引などの優待を受けられます。

また、大原女衣装に着替えてSNS に自撮りを投稿した方に、大原女をモチーフとしたオリジナルの「缶バッジ」または「手ぬぐい」をプレゼントしています(観光保勝会にて各500 円で販売もしています)。「缶バッジ」は大原女衣装体験と同じように対象の施設で割引などの優待が受けられますので、大原観光のリピーターさんにお得なアイテムとなっています。